コタキ兄弟8話 五蘊盛苦 の二つの見せ方
担当はみーくん。
『コタキ兄弟と四苦八苦』の8話がかなりいい。無論、他の回も良いのだが。
8話の構図としてはおっさん同士、男女がが「入れ替わる」という物だ。
おっ?
と思われた方もいるだろう。予告編でも某アニメ映画で聞き慣れた「入れ替わってるぅぅ?!」の台詞を連呼している。もう狙いに来ているとしか思えない。
そして本編だ。入れ替わったままでは不味いので当然「元に戻る」という展開になる。
しかし、その途中で問題はすり変わり、老人たちを騙す「三河屋」を今回のメインキャラクターさっちゃんが懲らしめるという展開になる。
その障害としてなるのが女性の抱える「非力」さだ。そこで入れ替わりが肝になるのだが、コタキ兄と入れ替わってもおっさんのため、体力が無かったり四十肩だったりと三河屋を退治出来ない。
さらに弟と入れ替わるも中々上手くいかない。
ここで更に話は一歩踏み込む。
サブストーリーとなるさっちゃんの昔話。そこでさっちゃんが同居していた恋人が女性であることが掲示される。
「女の体で女が好きなだけ」
入れ替わりの話は夢落ちとなるが、夢から覚めても問題は残っている。
「私の居場所はどこだろう」と。
今回の副題は「五蘊盛苦」
肉体と精神が思うがままにならない苦しみ
という意味だそうだ。
入れ替わりであった意味の回収もそうだが、ファンタジーコメディーで描く「入れ替わり」から始まり、入れ替わりを重ね、終わってみればセクシャリティを通して「入れ替わり」の問題を描いている。
作品の中で一つの問題を違った別々の切り口から見せる野木さん手腕は見事としか言いようがない。
しかもこの出来事は30分という短い尺に収まっている。
やられました。