他人三世代

マンションに住んでます。

映画と白黒思考

担当はみーくん

 

今書いている題材に類する映画をいくつか借りて鑑賞。

そこで新たな発見があった。

以前から私は、多くの実写邦画が持つ「生々しさ」が好きではなかった。当たり前だが基本的に邦画は、身近な日本人や身近な風景が映る。それはある種親近感を、映画との距離間を縮め、映画という虚構性を薄くさえする。私の考えだが、日本人が見ることを前提にした場合、邦画は日常生活を送る中で目を背けがちな題材と相性が良くも悪くもいいと思う。それは正確にかつ生々しく問題を描き受け取らせる一方で、嫌悪感や抵抗感も生み「~はよくない」といった押し付けや説教臭さをも纏わせる恐れがある。

だからこそ自分の先入観を振り払いより真摯に題材と関わらねばならないと感じた。

観客は作者のモラルなんかに興味はないのである。その問題がいい悪いではなく、それと関わるキャラクターの感情や欲求、動機を描く。すると観客はインモラルなキャラクターにも共感しその問題をより多角的に観察することができるだろう。モラルの押し付けは共感を拒絶し、映画への没入感すらも失せさせる。

注意が欠ければ、異化効果とまでは行かない「押し付け」どまりの映画になりかねない。映画を作る上で常に意識しておきたいと思った。